アール・ブリュット

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五十嵐  朋之 Tomoyuki Igarashi

1977年生まれ 東京都在住

 幼い頃から昆虫が好きだった五十嵐は、図鑑を見て昆虫を描き始めた。最初の頃は、昆虫をそのまま描いていたが、施設でのダンス体験をきっかけにダンサーを描くようになり、その後、昆虫とダンサーが合体した「昆虫ダンサーシリーズ」が誕生した。
 五十嵐が描くダンサーシリーズでは、昆虫を「昆虫ダンサー」、人間を「人間ダンサー」と呼び分けている。なんとも奇想天外な着想である。「昆虫ダンサー」では、一匹の昆虫がバレエでいうソリストとなって踊っていたり、二匹の昆虫が手と手をとり、バレエのパ・ド・ドゥを踊る様子が表現されていたりする。二匹で踊る昆虫ダンサーは、カマキリ同士やトンボとハエなど様々で、ペン画の他に刺繍で創作される作品も多くある。
 昆虫の他に文字や記号にも興味があり、作品の中にモチーフと関係のない記号が描かれることも多く、組み合わせによって独創的な世界観が表現される。また、独自に編み出した「抜かし字」を書いたり、自分の服やエプロンに、魚や文字の刺繍なども創作する。近年は「昆虫コロナシリーズ」と題し、昆虫が感染を防ぐ車に乗っている場面や、レストランで食事をする風景などが描かれたユニークな作品を描いている。

画像提供/クラフト工房 La Mano

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