アール・ブリュット

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冨山 健二 Kenji TOMIYAMA
1957年生まれ 鹿児島県在住

 乗り物、建物、人物や鳥など、冨山が描くモチーフはどれも網目状の線で表現されている。曲線と平行線を自在に組み合わせて網目のように交差し、部分的に網目の密度を変えることで立体感や奥行が生まれている。色とりどりの複雑な線の重なりは、モチーフの模様のようにも見える。
 冨山が絵を描き始めたのは2000年頃からである。普段はほとんど言葉を話さず、感情を表に出さないそうだが、何でも意欲的に取り組み、1つのことを集中して行う性格であるため、一度描き始めると声をかけるまで描き続けるという。
 創作は1日に3時間程度、週4日ほど行う。縦25㎝横35㎝ほどのスケッチブックの両面を使用し、72色の色鉛筆からその時々で色を選ぶ。モチーフは図鑑や写真を見ながら描くそうで、1つのモチーフは単色で描かれることが多い。描いた物や人の上から別のモチーフを重ねて描くこともあり、作品の中には複数のモチーフが登場するものもある。冨山は、画面が絵で埋め尽くされても止めない限りは同じ紙に描き続けてしまうため、施設の職員が2週間ほどで新しいページを差し出すことで、次の創作に移るそうだ。
 これまでに描いた作品は1000枚以上におよぶが、作品を完成させるという概念がない冨山にとっては、全ての創作が永遠に続いているとも言える。

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