アール・ブリュット

早川 拓馬 Takuma HAYAKAWA
1989年生まれ 三重県在住

 あらゆる方向から画面を埋め尽くすように描かれた色とりどりの電車の数々。よく見るとさまざまな人の形が浮かび上がってくる。
 早川は幼い頃から絵を描くことが好きで、特に電車を描くことや粘土で作ることが大好きだったそうだ。油絵を描くようになったのは高校生の頃からである。
 モチーフは大好きな電車とアイドル、友人などで、登場人物には必ずモデルがいる。1970年から80年代のシングルレコードの表紙や雑誌などを見ながら、キャンバスに油絵の具で描いている。
 下書きはせず、大きな人物の輪郭線から描き、線の内側や外側にたくさんの小さな人や電車を描いていく。コロナ禍でアイドルの握手会に参加できなくなったことで、人々が手を繋いでいる構図を描くことが増えたという。最初の頃は電車や人物は別々に描いていたそうだが、20歳頃から人物の中に電車を描くようになり、電車は実在するものから次第に独自のアレンジを加えるようになったそうだ。
 創作は、通っている施設のアトリエで平日に毎日約2時間、帰宅後に自宅で約1時間、土曜日には5時間とほぼ毎日熱心に取り組んでいる。1つの作品は大きさにより、約3カ月から2年ほどかけて完成させる。
1番好きな色は「セルリアンブルー」。早川が描く画面には、色もモチーフも好きなもので溢れている。

撮影/高石 巧

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