アール・ブリュット

古賀 翔一 Shoichi KOGA
1989年生まれ/福岡県在住

 古賀が作る立体作品のモチーフは、漫画やアニメ、映画などに登場する彼が好きなキャラクターたちだ。
 幼い頃は絵を描くことや4コマ漫画などの物語を作ることが好きだったという古賀が、立体造形の創作を始めたのは小学校1年生の頃からである。この頃から絵で描いていたものを立体的に表現するようなっていった。
 作品は本や映像を見ながら、映像の場合はキャラクターの登場シーンを何度も巻き戻して、細部を確認しながら作っている。最初に新聞紙を丸めて頭、腕、胴体、足などの体のパーツを作り、セロハンテープで貼り固めて、パーツを貼り合わせて立体的な作品が出来上がる。キャラクターの色や質感を再現することにこだわりがあり、絵の具や色鉛筆は使わず、色画用紙や色紙、カラーガムテープやビニールテープなどを使用して色や質感を表現しているそうだ。リアルに表現された骨格や肉付き、何層にも巻かれたセロハンテープが重厚感を感じさせるが、持ち上げると驚くほど軽い。
 作品は2、3時間で数体を完成させる時もあれば、数十日をかけて1体を仕上げる時もあり、集中すると時間も忘れて制作に没頭するという。一度は完成した作品でも、気になるところがあれば手を加えていくため、少しずつ形が変化していく作品も多くあるそうだ。

撮影/高石 巧

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