アール・ブリュット

清野 ミナ Mina SEINO
1986年生まれ 栃木県在住

 清野が描くのは、無数の彩られた小さな四角や丸、三角の形で創られる世界である。紙面一杯に埋め尽くされたものもあれば、まさしく彼女の感性が創り上げた形のものもある。インターネットのマップを見るのが好きで、作品には「町」や「迷路」といった言葉を含んだタイトルが付けられることがある。
 清野はまず、シャープペンシルで輪郭とその中の細かく区切られた形を描き、その後にアルコールマーカーを使って色を足していく。輪郭を描くときは大きな線を組み合わせながら作り上げていくため、最初から仕上がりの形を意図しているのかは分からない。シャープペンシルの作業が終わると、1本のマーカーを手に取り、小さな形を3カ所くらい色付けする。そして別の色のマーカーに替えてまた3カ所くらい色を付けることを繰り返す。その作業は早く、迷いなく色が付けられていくが、作品は全体がピンクや緑、紫といった調和を持ちながら出来上がる。
 幼い頃から広告の裏などに絵を描くのが好きだったという清野が、色を使い始めたのは高校生の頃だった。当初は色鉛筆を使っていたが、色を薄くしか塗れない部分ができてしまうのが悩みで、画材を試す中アルコールマーカーにたどり着いた。制作の場所や時間は選ばないが、いつも人がいないところ、人が見ていないところで描いているという。

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