アール・ブリュット

小林 覚 Satoru KOBAYASHI
1989年生まれ 岩手県在住

 ダイナミックで力強い文字の造形、生き生きとした鮮やかな色彩で描かれる言葉の世界。
小林が独自にアレンジした文字を書くようになったのは中学生の頃からである。最初の頃は学校の先生たちが小林の文字の形を直そうと試みたそうだが、次第に造形表現として評価するようになっていったそうだ。
 2008年から施設のアトリエで週2回、創作を行っている。最近は自ら進んで文字を書くことはなく、周りから依頼があれば快く応じて創作に取り組むという。
 小林の創作は、下書きはせずに一定の速度でペンを動かし、止まることなく一気に作品を完成させる。引いた線の終点が、画面の端や他の線にぴったりと着くように書くことを大切にしているため、少しでもずれたと感じる時は、着地した線を太くするなどの修正を加えるそうだ。小林は、文字の造形にこだわりがあるが、自ら作品に色を塗ることはなく、文字には黒のボールペンやマーカーを使用する。色鉛筆やクレヨン、アクリル絵の具などで描くカラフルな作品は、周囲からのリクエストに応えて描くことが多いそうだ。
 音楽を聴くことが大好きで、好きなアーティストの歌詞を描いた井上陽水の「少年時代」やビートルズの「Let it Be」などが代表作である。

撮影/高石 巧  画像提供/るんびにい美術館

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