アール・ブリュット

白田 直紀 Naoki HAKUTA
1986年生まれ 埼玉県在住

 最近は花や植物をモチーフに選ぶことが多いという白田の作品は、色とりどりの歪みのある小さな形の集合体で描かれている。色が細分化されて見えているかのように描かれた多彩な形の数々が、モザイクアートのように画面に広がっている。
 白田は2005年から絵を描き始めた。最初の頃は、昆虫をモチーフに木製の板に直接水性ペンで描いていたが、2014年から紙を使用した色鮮やかで緻密な作品を描くようになったという。
 モチーフはインターネットなどを見ながら施設の職員と相談して決めている。画像を見ながら描くそうだが、完成する作品は画像とはかけ離れた、白田独自の色彩や形で構成される。花や植物以外にも、白田が出かけた場所や体験したこと、印象に残っている物事を思い出して描くこともあり、今回の出展作品「バンジージャンプ」や「フラミンゴ」はその一つである。
 最初に黒のペンでモチーフの輪郭線を描き、線の内側に5mmから1cmほどの小さな形を埋め尽くすように描いていく。40色ほどの水性ペンの中から色を選び、「ここはカラフル」「ここは1色」と決めながら、小さな形の中を1つ1つ丁寧に塗っている。赤が好きで、赤やピンク色が多く使われるそうだ。作品は約1ヵ月かけて1枚の作品を完成させる。

作家撮影/武藤 奈緒美  画像提供・撮影/工房集・今井 紀彰
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