アール・ブリュット

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八重樫 道代 Michiyo YAEGASHI

1980年生まれ 岩手県在住

 家族と出かけたときの思い出などを、母親との対話から記憶をたぐり寄せて絵を描いていたという八重樫。さまざまな感覚で八重樫が体感した情景は、隣り合うことのない数十色の美しい色と、直線と曲線が交わり合う力強くも繊細な形となって画面いっぱいに広がっている。類稀な色彩感覚と表現力で生み出される八重樫の世界観は、観る者の心を揺さぶり、五感に訴えかける。
 幼い頃から塗り絵が好きだったという八重樫が本格的に絵を描き始めたのは10代後半、自宅近くの油彩アトリエに通い始めてからである。アトリエでは、絵を描くことよりも絵の具を塗る行為から、心を解放することに楽しみを見出していたそうだ。アトリエが閉じることとなった20代前半頃からは自宅での制作が中心となり、母親のサポートを受けながら躍動感のあるエネルギーに満ちた作品を次々と生み出していった。本展で紹介する画用紙に水性マーカーで描いた色鮮やかで緻密な形がひしめく作品群は、この頃に制作されたものである。
 自宅で制作を始めてからしばらくして体調を崩し、長年絵の制作からは離れていたが、ゆっくりと回復し、現在生活している施設のアトリエで、少しずつ絵を描き始めているそうだ。

画像提供/るんびにい美術館

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