カズ・スズキ　Kazu SUZUKI
1963年生まれ　栃木県在住

　カズ・スズキの生活は規則正しい。朝は7 時に起床して、火～土は工房で織り、日、月は完全にオフである。興味は音楽や食べ物で、古いアニメの主題歌をカラオケで歌うのが大好きだ。制作はマイペースであるため、一年間で完成する作品は多くて3 本である。
　カズが織りによる制作を始めたのは1993 年である。制作には通常の織り機が使用され、縦糸に横糸を反時計回りに一周巻き付ける毎に、左足のペダルを使って目を詰めるといった行為が繰り返される。本来平織りされるべき横糸は縦糸に何重にも巻き付き、何カ月もかけていくつもの瘤の連なった立体的なオブジェになる。
　完成のタイミングは自分で決めるか、物理的に織り機に入らなくなったときのようだ。当初、制作は細い糸を使っていたが、カズの織り方では強く引っ張られたり擦れたりするために糸が切れてしまうことが多く、現在では絨毯に使用する太くて強い糸を使っている。
　織り方は変わらないのだが、2007 年頃から作品の瘤が巨大化する作品も多く、展示会等に出展が決まり皆に褒められると嬉しくなって織るペースがやや上がる。