アール・ブリュット

岩瀬 俊一 Shunichi IWASE
1973年生まれ 滋賀県在住

 画面全体に広がる大胆な構図と緻密な線で描かれた人物や動物、様々な生き物たち。躍動感に満ちたモチーフは、どれもユニークな表情が印象的である。人物の髪や衣装、生き物たちの胴体のほか、画面の隅々に至るまで、点と線、渦巻きなどの細密な模様が施されている。繊細さとダイナミックさが入り交じる画面には、普段はとても内向的で物静かだが、活発で行動力のある側面を持つ、岩瀬の性格そのものが表れているかのようである。
 岩瀬は、現在通っている工房に入るまでは絵を描いたことがなく、全く興味もなかったという。2008年に工房に来て間もなく、周りで創作する人たちに感化され、自然と絵を描くようになった。最初はボールペンでモノクロの作品を描いていたが、最近は72色の色鉛筆や、水彩顔料ペンを使用した色彩豊かな作品を描いている。
 モチーフは本や雑誌から選ぶことが多く、好きなアイドルやタレントなどの人物を描く期間が長く続いていたが、最近は動物に興味があるそうだ。
 創作は1日に3時間ほど、休日以外はほとんど毎日描くという。マイペースにゆっくりとペンを動かし、約3カ月をかけて1枚の作品を完成させる。
 以前は興味もなかった創作だが、今は「海外で個展をしたい」と語るほど、創作が岩瀬の日常の楽しみとなり、生きがいでもあるようだ。  

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