アール・ブリュット

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萩尾 俊雄 Toshio HAGIO
1987年生まれ 福岡県在住

 これらは「作品制作」ではなく「おもちゃづくり」という観点でつくられている。萩尾は2、3歳の頃からウルトラマンや仮面ライダー、ゴジラなどが好きだった。特にそれらに出てくる怪獣に興味を持ち、食卓の濡れた台拭きで怪獣をつくっては、敵と味方に分け戦わせるなどして遊んでいた。台拭きは形状を保つことが難しいため、小学1年生頃から広告紙を使用した制作が始まったという。制作に使用する素材は、広告紙とセロハンテープ。広告紙へのこだわりは強く、なかでもデパートの紙が硬さや柔らかさ、材質において一番とのことで、25年以上使い続けている。テレビやビデオ、図鑑などを参考にして、形状にアレンジを加え、色の配置を考えながら折ったり巻いたりを繰り返し、1体につき、30分から1時間程かけてつくっていく。昔の怪獣はもっと肉厚だったようだが、「細い方がかっこいい」という美意識から、どんどん鋭く細く進化していった。非常に細いため脆く見えるが、広告紙をきつく巻いたあと、セロハンテープでさらにきつく巻いているため、段ボールを突き破る程の強度がある。大きさがどれも30cm程度なのは、手で持って動かしやすいことを重視しているからだ。完成すると、萩尾は怪獣遊びに勤しむのである。

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