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渡邉 あや Aya WATANABE
1987年生まれ 埼玉県在住
渡邉は飛行機を主なモチーフとして、さまざまな国や地域の特徴的な食べ物や生き物、建造物などを画面いっぱいに構成し、心の内にある思いをのせて描いている。
2006年頃から絵の制作を始め、あらゆる画材を試しながら約10年試行錯誤の日々を重ねる中で、自分なりの表現を見出していった。
渡邉は特別支援学校の頃に行った沖縄への修学旅行での楽しい思い出が心に残り、「また飛行機に乗って、旅行がしたい」と思いから、飛行機をモチーフに作品を描くようになった。旅行好きな渡邉の最近のテーマは海外が多く、欧米などの国を題材に制作している。
まず、モチーフとなる国の食や文化、世界遺産などを調べて、画像を印刷して切り抜き、紙の上に配置しながら全体の構図を決める。配置が決まったら鉛筆で下書きをして、ボールペンで輪郭線を描き、100色以上の色鉛筆で鮮やかな発色になるように色濃く丁寧に塗り込んでいく。最初の頃はカラフルな作品が多かったが、近年は色数を3、4色ほどにしぼり、落ち着いた色調で仕上げているそうだ。
よく見ると「Never give up」などの励ましの言葉が書かれていたり、飛行機のロゴが渡邉の名前にアレンジされているなど、自分と他者へのメッセージや遊び心が隠れている。
作家撮影/武藤 奈緒美 画像提供・撮影/工房集・今井 紀彰 撮影/高石 巧