中武 卓　Suguru NAKATAKE
1996年生まれ　宮崎県在住

　カラフルな色彩と大胆な筆致、画面から溢れる勢いで力強く描かれた植物たちは、生命力に満ちている。
　中武は小学生の頃から身の回りの物をよく描いていた。普段からさまざまなことに興味や関心を持ち、楽しみを見出す中武にとって、絵を描くことはたくさんある好きなことの1つだ。
　中学校を卒業した2011年から週に1回、中武は中学生時代の美術教師の家で絵を描くようになった。この頃から本格的に絵の制作を始める。
　中学生の頃に身近な植物をよく描いていたことから、美術教師の家で絵を描く時も、四季折々庭に咲いている草花を摘んで、花瓶などにいけて描くことが多いという。時折、美術教師が飼っている猫や、家族、友人など、周りの人物を描くこともある。モチーフをよく観察して気になったところから描き始め、見えたものを画面の中で自由に配置を変えながら、オイルパステルでダイナミックに描いていく。下書きはせず、集中して勢いよく描き進めるため、1時間ほどで1枚の作品を完成させるそうだ。
　作品には色画用紙を使用している。カラフルに描くことを意識しているという中武の作品は、オイルパステルの色の隙間から色画用紙の色が絶妙なバランスで顔を覗かせ、描かれたモチーフが一層引き立って見える。