アール・ブリュット

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宮下 幸士 Yukio MIYASHITA

1973年生まれ 滋賀県在住

 宮下が絵の創作を始めたのは1998年頃。現在通っている工房に来てから周りの仲間たちの創作活動に興味を持ち、絵を描き始めた。工房では仲間や職員と様々な場所に出かけ、日常を共に過ごす中で宮下が肌で感じたものごとが、少しずつ作品の中に描かれるようになっていった。
 「さかな」の作品は、夏に川に飛び込んで魚を捕まえた時の体験が強く印象に残り、それからしばらく作品に魚の絵が登場するようになった。「英語」の作品は、捨てられていた英字新聞に好きなメジャーリーガーの記事があり、その記事を全て描き写したことで生まれた。以降、英字新聞の他にも図鑑や雑誌などの気に入ったページを画用紙にデザインしながらパステルやカラーペンで描くようになったそうだ。
 宮下は、気になる事柄を毎日細やかに手帳に記録している。創作の時間は手帳と電卓を机の上に置き、手帳に何かを書き込んだり電卓で計算したり、時々仲間や職員とのコミュニケーションを楽しみながら手を動かす。文字の作品は、英字新聞などのページの上に定規をあて、間違わないように一文字ずつ定規をずらして確認しながら丁寧に画用紙へ描き写していく。記録が趣味だという宮下にとって、創作も「記録すること」の延長線上にあるのかもしれない。

写真提供/やまなみ工房

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