アール・ブリュット

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蒲生 卓也 Takuya GAMO
1978年生まれ 福島県在住

 数百色の色鉛筆やアクリル絵の具を使用し、鮮やかな色彩でモチーフと対話するように丁寧に描写された魚、鳥、犬や猫、花などの植物たちは、どれも優しく穏やかに佇んでいる。
 蒲生が絵を描き始めたのは17歳の頃。1日1枚、描いた絵を学校の先生に見てもらうことが習慣であった。20歳の頃に初めて作品を展示する機会があり、これを機に自宅のリビングに蒲生が絵を描く専用の机が用意された。蒲生はその机で毎日好きな時に、好きなだけ絵を描いている。
 モチーフは図鑑や写真集から選んでいる。本を見ることが大好きな蒲生は、本屋に行くと何件も梯子をして本を選び、一日中本を眺めるだけで終わる日もあるという。
 色鉛筆の作品は、スケッチブックにペンでモチーフの輪郭線を迷路のように描き、線の隙間を埋めるように色を塗っていく。アクリル絵の具の作品は、キャンバスに好きな色で下塗りをして、鉛筆でモチーフの輪郭線を描くのだが、最終的には線が見えなくなるまで厚く色を塗り重ねていくそうだ。色鉛筆の作品は1枚に10日程度、アクリル絵の具の作品は長いもので1枚に3カ月ほどかけて描くという。
 鼻歌を歌ったり、時おり外の景色を眺めながら、幸せそうに絵を描いているという蒲生は、描くことで心が解放され、画面の前ではより一層自分を自由に表現することができるのかもしれない。

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