アール・ブリュット

福井 誠 Makoto FUKUI
1982年生まれ 長崎県在住

 色とりどりのかたちで画面が埋め尽されている。福井のイメージから生まれるそのかたちは、地球上にいる生き物に似ているものもあれば、妖怪やお化け、異星人のように見えるものもある。福井が描く作品の最大の特徴は、さまざまなかたちの中に描かれる「目」である。大きく目を開きじっと何かを見つめている。それは、目を閉じることを恐れるかのように、何かを必死に伝えるかのように力強く表現されている。彼に幾度となく描かれる「目」について尋ねると、統合失調症を発病したことで幻覚症状が現れ、絶えず何かに見られている感じがして、目が気になって仕方がなかったのだという。絵を描くことで気持ちが落ち着いたと語る。
 現在は、自宅で精力的に作品の制作を行なっている。使用する画材は、文房具店で漫画用のペンや色鉛筆を購入し、描きやすいという利点から、紙は漫画用紙を好み創作を行っている。この漫画用紙をうまく活用し、つなぎ合わせることで画面を自由に拡張している。

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